淀川工業会について

母校校歌

大阪府立淀川工業高等学校校歌
作 詞  大 石  義 雄  先生
 作 曲  藤 井  兵 蔵  先生

 
1 栄枯は時に移ろへど
淀の流れは悠久(とこしえ)に
不動の相(すがた)たたへつつ
我が学園に影添へぬ
2 本具の明智磨かんと
宇宙の摂理に随(したが)ひて
真理を窮(きわ)め技を練る
我が学園の歩みなれ
3 言行常に正(せい)をふみ
至誠一貫奉公の
金剛不壊(ふえ)の境地こそ
我が学園の誇なれ

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校歌章註

藤井 兵蔵

1 人間の社会は栄枯盛衰生者心滅の現象を繰り返して行くものでありますが、不偏不動の中核すなわち発展性の主体を歴史は把握し発展して止みません。不動の動とでも申しましょうか、淀川は悠久に不動の相をたたえつつ流れています。崇高というか、清浄と  いうか、誠に気高い精神的な薫り高い相です。孔子が「逝く者斯くの如きか」と歎じた境地がよくわかるようです。東、生駒、西、中国の高原を仰ぎ、此の薫高き相に日夕影添えながら淀川学園は立っているのでありまして、我が学園の生命も亦永劫不動の上に進展して止まないものであります。

2 現在の学徒は学園の現在から見れば主体をなすものでありますが学園の根本相から見れば客体をなすもので歴史現象の一こまでしょう。この時空を通して営まれる学徒の使命は各個人が本来具有している明智を磨き顕正することでありまして、それ以外の目的  目標はありますまい。すなわち真理の探究の誠実なる姿、その環境から芸術の美、宗教の聖、道徳の善は育まれて行くのであります。
   全人格への完成に払われる努力はそれ自体、如何なる力にも屈しない人間本来の面目金剛不壊の境地でありまして、この境地に立って彼岸に達せんと努力を傾けつくす。これこそ若き学徒、わが学園の平常の姿であってほしいものです。

3 大宇宙の摂理に随うとき、天業誠に健也哉と歎ぜざるを得ないでしょう。これに抗せんとする者は科学の破壊すなわち文化の進展の阻害者に外なりません。自からおごりた かぶる者は必ずや滅ぶであろう。敬虔な態度で神への道を一筋に至誠を以って貫かんとするところに四恩の報いる信念は培われるのであります。これこそ我が学園の友がきの 手をとって進むべき正道で、人間として最も生き甲斐ある生活ではないでしょうか。